石田徹也に会いに行く。6th. [石田徹也]
実は先週のことなんだけどね、西東京方面に取材に行った帰りに練馬区立美術館で開催されている石田徹也の展示を見に行った。
「石田徹也—僕たちの自画像—」2008年11月9日(日)~12月28日(日)
http://www.city.nerima.tokyo.jp/museum/tenji/2008ishida.html
久々に東京で開催された大規模展示で、合計約70点の作品が「美術館」という箱に飾られていた。
てっちゃん作品が東京で、しかも単独でこんな箱に展示されたのは初めてで、没後一年の追悼展から、日本中で視聴者をフリーズさせたあの日から、混乱の中で年末に急遽開かれた展示から、、、とワシはず〜っと観て来た。
だからついに東京の美術館にたどり着いたのだね、という穏やかな嬉しさがある。
しかしながら昨年夏、静岡県立美術館で開かれた「最初で最後の(ほぼ)全作品展示」という贅沢なものを観てしまっているので、正直なところ今回のは物足りない。
とは言っても、原画を前にする度新たな発見もあったりするくらいの密度があるのも石田作品のすごいところ。
てっちゃんの作品で衝撃を受けたままその作品に触れられる機会もなく、いつものように遠路はるばる会いに来る人々は後を絶たず、そしてその想いを会場の感想ノートやブログに書き綴っている。
これも石田徹也現象の特徴であるのよね。
遺作画集でしか見たことのない、繰り返し何度も見た、あるいは、買ったものの怖くてページをめくれなかった、その絵の実物に「意を決して」観に来る人々はこれからもたくさん現れると思う。
そして、原画、巨大な原画を前にして彼らは「会いに来てよかった」と口々に言う。ある者は涙をためて。
すごい絵を遺したね。。。てっちゃんは。。。
↑練馬区立美術館のある西武池袋線中村橋駅
↑駅前商店街の意外なところに!
会場ではあの創作ノートが6点(あるいは8点)(うろ)が公開されていた。
静岡で公開されたものと違うページ、かつ、創作の核をなす記述部分が見られるようになっていた。
あるページではワシが今ドツボにはまってしまってる、自分の作品のコンセプトや根幹をなす部分へのダイブみたいなことも書かれていた。
メモをとるわけににはいかない場所だったのでもはや記憶がうろなんだけれど、自分の作品を自分のメッセージだけではなく客観性を求めていなければアートにはならない、というようなことにワシは共感した。(あくまでもうろおぼえかつワシ翻訳されてます)
そしてそのように描き続けていたからこそ、大勢の人々の心に突き刺さったんだと思う。
ワシ、そこの部分がまだ見えていない。
それをクリアしていなければ、後世に残る作品はできないだろうな。。。
いろいろとナゾの多い石田作品だけれど、没後10年くらい経ったらあの創作ノートを出版してほしいな。。。
それで石田徹也の謎解きをしたい。
いや、石田作品はてっちゃんの性格と違ってきわめて饒舌なんだけれどね。イコノグラフィーの視点から観れば。
そう、彼が親友たちと熱い芸術論を取り交わしていた時のようにね。
↑今回は初めて豪華(?)な図録ができました! 1,500円。ポストカードもありました。
今まで「無題」だったものにタイトルがついていたり、改名されていたりもしていました。
創作ノートの研究が進んだ成果なのかな?
さて、てっちゃん、次に会えるのはどこの美術館でだろうね?
活躍を期待してるよ。
えみりさん!さんくす!
by StudioDeluxe (2008-12-14 02:59)